XM Tradingでは「両建て取引」が可能です。
両建て取引とは、同じ通貨ペアの「買い」と「売り」両方のポジションを同時に保有することをいいます。
基本的には「上昇相場を狙って買いポジション」「下落相場を狙って売りポジション」のどちらかを保有しますが、エントリー方向から逆行すると思いがけない損失を受けることがあります。
そんなときに活用できるのが両建て取引で、上手く機能すれば「含み損の拡大を防ぐ」「含み益の減少を防ぐ」といった効果が期待できます。
両建てをしたことがない方には使い道やタイミングなどわからない点が多いと思いますので、本記事では両建ての基本的な部分からメリット・デメリットまで細かく解説します。
なお、海外FXでは両建てを禁止しているブローカーがありますが、XM Tradingでは条件付きで認められてるのでご安心ください。
両建て取引の基本ルール
XM Tradingでは、両建て取引が認められているものの「同一口座内でのみ両建て可能」という基本ルールが定められています。
XM Tradingはアカウントを開設すると、最大8つまで追加口座を開設することができますが、両建て取引を行う場合は「同一口座内」で行う必要があります。
具体例としては以下のとおりです。
ドル円「買い」 | ドル円「売り」 | 判定 |
A口座 | A口座 | OK |
A口座 | B口座 | NG |
B口座 | C口座 | NG |
C口座 | C口座 | OK |
このように、1つのアカウントで複数の口座を開設できますが、両建て取引をする場合は同一口座でポジションを保有する必要があります。
このようなルールとなっている理由は、XMに不利益が被らないためです。
たとえば、上昇トレンドを形成しているときにAとBの口座を併用して両建て取引を行った場合を想定してみましょう。
- A口座の買いポジションは含み益が拡大し、トレンドが継続するとさらに利益が乗る
- B口座の売りポジションはロスカットされ資金が全損
このように、B口座の損失が限定的なのに対して、A口座は利益が無限大に狙えるといった構図ができてしまうと、トレーダーが確実に稼げるようになってしまいます。
トレーダーが確実に稼げるということは、XMが確実に損をするということになるため、そのような事態に陥らないようにルールが決められています。
もしルールを守らなかった場合は、出金拒否やアカウント凍結など重いペナルティが科されるため、両建て取引を行う際は必ずルールを守りましょう。
両建て取引のメリット
XMの両建て取引のルールのつぎに、両建て取引にはそもそもどのようなメリットがあるのかという点について解説します。メリットは以下の3点です。
- リスクヘッジができる
- 指標発表などのイベントに備えられる
- 決済のタイミングを落ち着いて分析できる
これらの点についてそれぞれ解説します。
1.リスクヘッジができる
1つ目のメリットは、リスクヘッジができる点です。
冒頭でも軽く触れましたが、両建て取引を行う場合は「相場が今後どちらへ動くかわからない」という場合に行います。
そのため、以下の際に両建て取引を行うと有効です。
- 長期的には上昇トレンドなので買いエントリーしたものの、下落の勢いが強い場合
- 長期的には下降トレンドなので売りエントリーしたものの、上昇の勢いが強い場合
このように、長期目線でエントリーしたものの、短期の波が強い場合は、一方向にどれだけ進むかわからない場合に損失が拡大するのを防ぐことができるのはメリットといえるでしょう。
2.指標発表などのイベントに備えられる
2つ目のメリットは、指標発表などのイベントに備えられる点です。
経済指標発表時は、重要な指標の場合は大きな値動きが起こり、保有しているポジションの反対に動く可能性もあります。
もし反対に動いた場合、資金やポジションの大きさによっては強制ロスカットとなる場合があります。
そこで、反対ポジションを立てておくことで、もし反対に動いたとしても、含み益が減るのを防ぎ、含み損が拡大するのを防ぐことができます。
実際に、アメリカの雇用統計などは1円~2円程度動くことが多いので、レバレッジを効かせて大きなポジションを保有している方には有効な手法といえるでしょう。
3.決済のタイミングを落ち着いて分析できる
3つ目のメリットは、決済のタイミングを落ち着いて分析できる点です。
両建て取引で「買い」と「売り」の両方のポジションを建てた場合は、片方の損失をもう片方の利益がカバーしてくれるため、両建てした時点の含み損が大きくなることがありません。
そのため、相場を再度分析する時間ができ、どこが「下げ止まり」「上げどまり」といったことを落ち着いて分析することができます。
もし一方のポジションだけでは、含み損が拡大してしまって、落ち着いて分析ができないという方でも、両建て取引で含み損(含み益)を固定できるのはメリットといえるでしょう。
両建て取引のデメリット
XMで両建て取引を行うメリットのつぎに、デメリットについて解説します。デメリットは以下の2点です。
- 両建てを解除するタイミングが難しい
- 日をまたぐとスワップポイントで損失が出る
これらのデメリットについてそれぞれ解説します。
1.両建てを解除するタイミングが難しい
1つ目のデメリットは、両建てを解除するタイミングが難しい点です。
両建て取引はリスクヘッジの役割を果たす一方で、もし価格が戻ってこずに逆方向へ一方的に進んでしまった場合、両建て取引を解除するタイミングが非常に難しくなります。
たとえば、買いポジションで含み損、売りポジションで含み益となっている場合、以下のような選択肢があります。
- 含み損を切って、含み益を伸ばすべきか
- 含み益を利確して、ナンピンで平均取得単価を下げて戻りを期待するか
このような選択肢があり、上手くいけば利益を残すことができますが、下手すれば大きな損失を被る可能性があります。
そのため、両建てを解除する際は、チャート分析を行って慎重に対処するようにしましょう。
2.日をまたぐとスワップポイントで損失が出る
2つ目のデメリットは、日をまたぐとスワップポイントで損失が出る点です。
XMのスワップポイントでは「買い」と「売り」でプラスになることはありません。
たとえば、ドル円の場合は1ロットで「買い+1,200円」「売り-2,900円」となっており、1,700円の損失が毎日かかってくることになります。
両建て取引で落ち着いて分析できると思いきや、日々のスワップポイントで損失が出てしまっては本末転倒です。
そのため、スワップポイントでの損失がなるべく発生しないように、両建て取引でポジションを建てる期間は短くすることをおすすめします。
XMで禁止されている両建て取引
基本ルールで解説した内容と一部重複しますが、XMで禁止されている両建て取引について、さらに詳しく解説します。
XMで禁止されている両建て取引は主に以下の3点です。
- 複数口座を併用した両建て取引
- 他のFX業者を併用した両建て取引
- 複数人で協力して行う両建て取引
複数口座を併用してはいけないと冒頭で解説しましたが、他にも禁止されている方法があるので注意しなければいけません。
たとえば、XMの口座で「買い」、他のFX業者で「売り」でポジションを保有している場合を考えてみましょう。
上昇トレンドが形成された場合、他のFX業者で保有している「売り」のポジションはロスカットされて入金した資金だけ損をします。
一方で、XMで保有している「買い」のポジションは利益が膨らみ続け、他のFX業者での損失以上の利益を得ることができます。
このような構図を防ぐためにも、他のFX業者を併用した両建て取引が禁止されていることは頭に入れておきましょう。
また、複数人で協力して両建て取引を行うことも同様に禁止されているため、絶対に行わないようにしてください。
まとめ
ここまでXMの両建て取引のルールについて解説してきました。
XMは両建て取引が認められていることから、相場状況に応じてリスクヘッジとして、含み損の拡大や含み益の減少を防ぐことができます。
両建て取引できることで、相場が荒れている状況を俯瞰して見ることができ、今後の値動きを再度分析する時間ができるなど様々なメリットがあります。
両建て取引が禁止されているFX業者があるなか、XMでは認められているので、必要な場合はルールを守って取り入れてみると良いでしょう。